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2010.1.19   【輝】

Novel Stage / original:Willwart

《悠久の輝き》


 


 

 空中都市ウィルワート。
 住宅街にある兄妹には大きな一軒家がアレクサンドルとパールの住む家だ。両親が不在がちな為、ここに住んでいるのは実質二人だけ。
 こんこん。
「パール。いるか」
 黒翼の青年が扉をノックする。
『ギルくんがきたみたい。またあとでおはなししようね、ディアナ』
『え、ええ……』
 少女の兄は青年に彼女を頼んだ後、彼の家で待っているためにこの家にはパールしかいない。
 はずなのに今、彼女と言葉を交わしていたのは明らかに大人の女性の声。
 ぱたぱたと羽ばたく音を遠くに聞きながら、ギルフォードは考えていた。
(さて、どうやって説得したものか……)
 
「えっと、きょうはどうかしたの?」
「その……だな」
 リビングセットへ紅茶を運んだパールが尋ねるが、青年は話を切り出せないでいた。
(どう、言ったものか……)
 さんざん悩んでいると、どこからか少年の声がした。
『ストレートに言うのが一番早いよ』
「なっ、エルスト!」
「ふぇっ!?」
 同時に反応する二人。そしてお互いに顔を見合わせる。
「あ」
「いまの……いしのひとのこえ」
 青年は完全に失敗したという顔。少女は不思議そうな顔。
 そして見合わせたところで、気がついた少女は目の前の人へ問う。
「ギルくんにも、きこえたの?」
「……その、な」
 言い淀んでいるうちに、再び聞こえてくる子供の声。
『ここまで来て誤魔化す方が難しいよ、ギル』
「またきこえた!」
「……わかった……ちゃんと話すよ、エルスト」
 きょろきょろと周囲を見回すパールへ、諦めた様にギルフォードが声をかけた。
「パール」
「なぁに?」
 彼女の注意が向いたのを確認して、目の前に手を差し出す。
 するとその上にぼんやりと赤い楕円形の球体が浮かんだ
『初めまして、パール。ご機嫌いかが?』
「はじめ、まして……」
 びっくりした少女は視線を段々上に上げ。
「ギルくんがいしのひと?」
「違う……私も継承者なんだ。"真紅の外套"エルスタイン=ルベウスの」
『エルストと呼んで』
 青年が手の上から球体を消しても、少年の声は聞こえてくる。
「パール、継承者は石と共にいられるんだ。力を継承すればね」
「そうなの?」
 青年は諭すように教えると、少女はしゅん、としていう。
「いしのひとがいなくなっちゃうのだとおもってた……」
「今のままだと石の人はずっと起きていなくてはいけない。
 だから早く継承してあげてくれないか?」
「うん。わかった!」
 あくまで優しくギルフォードが言うと、パールはにこっと笑って頷いた。

「これからもずっと、いっしょだね」
『ええ。よろしくお願いするわ、パール』

『だからストレートの方が楽だって』
「急に話し出すな。驚いた……」


 Fine.
 

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