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2010.9.2 【鎌】
Novel stage / original:Feast of Dolls
《不幸》
描く。
描く。
漆黒の鎌が歪みなき真円を。
踊る。
踊る。
金色の髪が宵闇の中を。
聳え立つ岩場へ追い詰められたのは半人半魚。珊瑚の髪に深海の瞳を持つ妖艶な女性の上半身と透き通った青の長い魚の尾の下半身がうっすら降り注ぐ月の光を受けて煌きを湛える。
砂浜から追い詰めたのは一人の少女と一匹の犬。闇に溶け込む黒いマントに胸の開いた黒いドレスの少女と守るように立つ尾の長い焔色の犬。
両者の間には少女の持つ巨大な鎌。少女の身の丈を遙かに超える白銀の刃には緩やかな波紋が流れる。
「さあ。鬼ごっこはおしまい」
無邪気に嗤う少女の笑みは纏う衣と判別がつかない昏い笑み。
ディープブルーが恐怖に震え、滲む。
死神たる少女と、魔王の映し身たる犬と、残酷の象徴たる鎌に。
細動は喉に、指先に、腰に、尾に広がり声帯が更なる振動を始めようとする前に。
指先が、裂けた。
腕が千切れた。
背骨が折れた。尾が下ろされた。肩が砕けた。首がずれた。鼻が消え深海が壊れ珊瑚が灰になり塵が飛ばされた。
残ったのはただ赤い染みだけ。
犬は嗤う。爪先についた血に舌を這わせて。
少女は嗤う。指先に宿る生命の息吹を吸い込んで。
鎌は嗤う気配を漂わせる。身に纏う赤に酔いしれて。
さあ、今日も命を狩りに行こう。
Fine.
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