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2010.8.27 【麗】
Novel stage / original:Feast of Dolls
《輝き》
植物園の中にある一軒の建物。
閉園時間も過ぎた園の中には人通りもなく、眠りにつく植物達と虫達。そして月明かりに金髪を輝かせる黒いローブの少女。
「ほら、今日の月の光も綺麗だわ」
彼女はくるん、と水の出ていない噴水の縁に立って回る。
周りには誰もいない。だが、彼女は明らかに誰かへ向かって話しかけていた。
「綺麗なものを見つけるのは得意なのよ。ふふ、だから貴方達も見つけられたの」
回る身体に従って黒いマントも翻り、ふわり、と動きの後を追う。
「この月のように美しい魂の輝き。どんなに時が流れても、どんな地の彼方でも煌く光。それが貴方達」
心底楽しそうに少女は笑う。スキップして軽々と細い噴水の縁を一周する身軽さにも楽しさが滲み出ていた。
「沢山の人に会ったわ。皆、綺麗な魂……例え一緒にいられなくても、お話出来るだけでもとっても素敵だったわ!」
彼女は手を組み合わせ、うっとりと目を閉じて呟く。
普段は外見と異なり大人びていることが多いが、今の少女は概ね年相応の雰囲気で、そう、恋愛小説を読んでときめく乙女のようだ。
「だから私は綺麗なものが好きよ。貴方達、そしてあの子、皆どこか本質が輝いていて綺麗だわ」
言いながら、彼女はそっと空を見上げる。
変わらぬ穏やかな輝きを放つ真円の月。
「私がこの世界で生き続けようと思う原動力、これからも生きたいと思う源。ずっと見られるといいわね」
少女は微笑んで月光を浴び続ける。その傍らには誰もいないはずなのに、月光が揺れる部分があったという。
Fine.