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2010.8.10 【雨】
Novel stage / Fun Fiction:???
《紅の雨》
体躯に見合わない大剣が巨大な円弧を描く。
周囲の完全武装の兵隊達に比べて小さな痩躯へ群がっていた盗賊達は、その愚かさを悟る暇もなく命の飛沫を飛び散らせた。
振り抜いた当の本人は残骸に目もくれず、張り付いた髪を赤く濡れた手で跳ね上げる。
灰色の瞳に映るのは大粒の雨と倒すべき標的。
兵士とも傭兵とも足並みを揃えることなく駆け抜ける姿。
足下がぬかるんでいることも、携える大剣が身に合わず重いことも、精霊の楽器が常に控えていることも感じさせない変わらぬ速度。
一直線に、敵へ向かう。
通り道に立った盗賊は反応できず悉く肉塊へと変わり果てる。大剣に潰されて。
遠くに立っていた盗賊は悉く蜂の巣の如く穴だらけになる。水の精霊に貫かれて。
無論、兵士も傭兵も次々と盗賊達の数を減らしていく。
だが、戦うどの兵も大剣を振り回す姿を視界へ入れる度に思い知らされるのだ。
あまりにも空虚な器が憎悪を孕むと、恐怖を産むことを。
降りしきる紅の雨はいつになったらやむのだろう。
Fine.
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