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2010.6.4 【雑】
Novel stage / Fun Fiction:LοV
《紺青の竜》
采配を持った猿田彦に案内されること数日。
見渡す限り何の目印もない雪原を進み続けていた。
使い魔にすら一体も会わない旅路。最初からいい印象を持っていないバーサーカーなどは眉間に皺を刻み始めているくらい順調なものだ。
「どこまで行くのですか」
珍しく暗殺者の少女が話しかけた。
「なに、もう少し。しかし、人のロードは随分と脆弱なものよ」
行者姿の神は少女と同じ人物へ目を向ける。
両手で抱えた小悪魔共々がたがた震えながら、外套の前をかきあわせていた青年。誰より縮こまっている青年が、彼らのロードであった。
「単に寒がりなだけですわ」
呆れながら答えたのはシャーマンの少女。
「さーむーいー……」
ぶつぶつといつものように呟いていた青年。しかし、その顔がふっと頭上を見た。
『ルヴニール?』
「……声?」
呟きと同時に、全員の頭上に影が落ちた。巨大な一つの影が空を横切っているのだ。
「古き友、猿田彦。死すら凍るこの地に何用か」
低い地鳴りのような声が響く。ゆったりとした言葉運びだが、それゆえにかかる重みはかなりのものだった。
「古き友よ。そなたの絶望を晴らしにきた」
「ほぅ……」
彼らの頭上から雪原に降り立ったのは、細く長い身体をたなびかせる竜。その鱗は空に青く輝いていた。
巨大な瞳が辺りを睥睨する。
「人の子が、我が絶望を晴らすか……面白い」
言葉とは違い、明らかにそんなことは起こりえないと悟っている口調で竜は続けた。
「雑兵は下がるがいい。人のロード……お主に我が闇が掃えるか、試してやろうぞ」
言葉は重圧となって、場に広がった。
To be continued...