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2010.6.2 【墾】
Novel stage / original:Two Little Stars
《うらにわ》
「確かに。ありがとうございます」
「またご利用ください」
博の判を受け取り宅配のトラックが帰ると、早速双子が母屋から飛び出してきた。
「飼い主ーこれなんにゃ?」
「すっごいすっごい重そうにゃー」
どさどさと積まれた土の詰まった袋にネコの仔たちは目を丸くしている。
「ちょうどいい。お前ら手伝え。裏庭の方に運ぶんだ」
「はいにゃ!」
「わかったにゃ!」
腕まくりをしながら青年が言うと、子供達は元気に手を上げる。
早速姿に似合わぬ怪力を発揮して二つ三つ纏めて運んでいった。後ろから博がスコップ等の道具を持ってついていく。
何往復かで袋が裏庭に積み上げられる。
「それで、これなんにゃ?」
「なんなのにゃ?」
「肥料と土だ。そろそろ土起こしをしないといけないからな」
博の答えに双子は揃って首を傾げた。
「今広い土地を持ってるのは、俺のご先祖様とやらがこの辺の開墾に尽力したせいらしくてな。俺が継ぐ時の条件で家庭菜園は続けないといけなかったんだよ」
苦笑しながら青年が説明するが、それでもネコの仔達には理解しにくかったらしい。
「かてい?」
「さいえん?」
今度は反対側へと首を傾げたのを見て、溜息をつきながら彼は簡潔に纏めた。
「……簡単に言うと、ここで食べ物を作るってことだ」
すると、ネコの仔達の目が輝く。
「食べ物出来るにゃ!?」
「お腹いっぱいにゃ!?」
「手間はかかるが、まあ、新鮮な野菜は出来るな」
博の言葉にネコの仔達は飛び上がって喜ぶ。
「作るにゃ! ご飯作るにゃ!」
「ヒロシ作るにゃ! ネコがお腹いっぱいになるにゃ!」
「すぐホイホイ生えてくるわけじゃない。食べたいならお前らも手伝え」
ぴょんぴょん飛び跳ねる双子達へと鍬を渡す。
「何するにゃ?」
「どうするにゃ?」
「土を耕すんだよ」
博は持っていたスコップで地面を掘って見せる。
「冬の間手の入れようがなかったからな。地面を柔らかくして、栄養を与えないと植物が育たない」
双子は疑問符を浮かべながら土をざくざくと掘っていく。次第に楽しくなっていったのか、ペースは段々速くなっていった。
「ざっくざくーなのにゃー!」
「掘るにゃー掘るにゃー!」
「こら、俺に土かけんな」
ネコの仔達が掘り返す前に肥料を撒いていた青年がペースの変化についていけず、振り上げられた農具の土を浴びる。
「アンテール。お前、こっちでこれ撒け」
「はいにゃ!」
おそらく青年が持っているものが何かはわかっていないのだろう。けれど、アンテールは素直に袋を受け取るとステラの前にばぁっと撒いた。
「いくにゃ!」
ステラが持っているスコップでざくざくと土と肥料を混ぜていく。
袋の場所を指示すると、青年は一度裏庭から離れた。
手を洗いながらぽつりと呟く。
「……あいつら、上手く教えてやれば戦力になるか?」
博が裏庭に戻ってきた時、双子が耕すどころか土の上に転がっていた。
怒った青年が双子を風呂場に放り込んだのは言うまでもない。
Fine.