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2010.5.15 【夜】
Novel stage / original
《闇に生きる者》
きぃ。きぃ。
指先さえ見えない闇の中で響く金属の擦れる音。
きぃ。きぃ。
それは止まることなく。弛むことなく。
きぃ。きぃ。
一定の間隔で鳴り続けている。
きぃ。きぃ。
誰かがいるのだろうか。いや、誰もいない。
きぃ。きぃ。
ではコンピュータなのだろうか。いや、コンピュータではない。
きぃ。きぃ。
空気が震えている。
きぃ。きぃ。
右から。左から。交互に動いていく。
きぃ。きぃ。
反響して何重にも聞こえてくる。
きぃ。きぃ。
きぃ。きぃ。
きぃ。きぃ。
かちっ。
「おぉい、誰かいるのか?」
き、っ。
響く音が止まる。代わりに響く声が聞こえる。
ランタンを掲げて周囲を見回す人。灯の周りだけが光を与える。
「おかしいな。確かに音が聞こえたんだが」
あんなにも鳴り続いていた音は止まっていたことに首をかしげる人。
けれど、何も見つけられなかった人は不思議そうな顔をしながらまたどこかへ行く。
「何なんだろうな。今日も月のない夜だ」
ぶつぶつ呟きながら光の塊は遠ざかる。
もう星ほどの輝きになった。
き。
軋む音。
きぃーっ。きぃーっ。
左右に広がっていく音
きぃっ。きぃーっ。
きぃーっ。きぃっ。
ばらばらに響く金属の摩擦。時折ざりざりと耳障りなノイズが入る。
きぃ。きぃ。
しばらく続くと、また同じリズムになる。
きぃ。きぃ。
左右均等に振動が広がる。
きぃ。きぃ。
きぃ。きぃ。
かちっ。
「おぉい、誰かいるのか?」
...endless story.