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2010.4.6 【足】
Novel stage / Fun Fiction:QМАDS2
《小さな優しさ》
アカデミーから離れた大きな山岳地帯。
石が平らな、少し休めそうな場所に二人の生徒と一人の教師。
一人の生徒が手当てを受けていた。
「はい、出来たわ。酷い怪我ではないけど、あまり激しい運動は駄目よ」
「はい」
教師のミランダが包帯を巻き終えてアカデミーとの連絡を取りに行く。
クロニカも捻った足へ体重をかけないように立ち上がる。
慣れない立ち方にふらついた身体を隣にいた生徒が懸命に支えた。
「ごめんなさい。僕のせいで……」
その生徒、ユウは酷く落ち込んでいた。
ホウキに乗ってアカデミーへ戻る途中、遭遇した一つ目の鳥の魔物。決して強くはないが体力が高く、倒すのに時間がかかってしまった。
流石に疲れが見えたそこに、隙が出来てしまった。
クロニカの最後の一撃が命中した途端、魔物は最後の足掻きとばかりに暴れだし、彼らの方へと突っ込んできたのだ。
風圧がユウを吹き飛ばしホウキから落とされる。
慌てて追ったクロニカが掴むが勢いは止められず、地上へ叩きつけられる直前にその小さな身体を抱え込んで激突。
抱えた少年は無事だったが、本人は数箇所の打ち身と右足首の捻挫となった。
「油断したのはお互い様だ。気にするな」
彼は腰より少し高い位置にある少年の肩に手を置いた。
「それでも、僕が吹き飛ばされなければクロニカさんが怪我することもなかったのに……」
先生の後を追う青年は、俯きながら全身で支えるユウに声をかける。
「その分、今支えてもらっている」
「うん……でも」
「なら」
あまりにも悔やむその様子にクロニカは一つ提案をした。
「とりあえず、これは貸しておく」
「貸し?」
「ああ……今度、機会があったら返してもらうさ」
彼にはもちろん特に何かを頼むあてはない。
けれども、少年の表情は少し上向く。
「うん。何でも言ってね!」
そう返事をしたところで、アカデミーから連絡を受けた人たちがやって来た。
不器用なりの、小さな優しさ。
Fine.