365 letters 2010.4.4 忍者ブログ
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2010.4.4   【盾】

Novel stage / original:Absoetia

《Knight》


 



 

 騎士とは国の剣であり、盾である。

「貴方らしい考え方ですね」
 ラートの返事にキルシェはくすり、と笑った。
「おかしいか?」
「いえ。真っ直ぐと言いますか、素直と言いますか。決して悪い意味ではありませんよ」
 ぼんやりと宙空を見上げた青年の表情が自嘲に変わる。
「私には出来ない考え方ですから」
 それだけ言った彼をじっと見て、ラートは返す。
「考え方など人によって違う。同じ考え方をする必要もないだろう」
 騎士の青年が心配していることを悟ったのか、すぐに彼の表情は感情を浮かべなくなった。
「ええ……ただ」
 それでも言葉は続いていた。
「私が学んだことの中に盾となる発想はありませんでした。相手から攻撃を受けるのであれば先手を取って潰す、それが基本でしたから」
 キルシェはラートと共に学校へ通っていたが、彼は授業外で別の訓練を受けている。現在の本業の訓練を。
 そして、その考え方は現在の彼の立場を考えると至極当然のことだった。
「それでいい」
 ラートは即座にそう答えた。
「ラート?」
「俺が剣にして盾ならば、お前はそれを使わないでいられるようにするのが役割だろう」
 驚いたよう顔を向けるキルシェへ騎士はこともなげもなく返す。
「それでも戦いを止められないのなら、盾となるのは俺だ」
 そう言いながら、彼は安心させるように肩をぽん、と一つ叩いた。


 Fine.


 

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