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2010.4.4 【盾】
Novel stage / original:Absoetia
《Knight》
騎士とは国の剣であり、盾である。
「貴方らしい考え方ですね」
ラートの返事にキルシェはくすり、と笑った。
「おかしいか?」
「いえ。真っ直ぐと言いますか、素直と言いますか。決して悪い意味ではありませんよ」
ぼんやりと宙空を見上げた青年の表情が自嘲に変わる。
「私には出来ない考え方ですから」
それだけ言った彼をじっと見て、ラートは返す。
「考え方など人によって違う。同じ考え方をする必要もないだろう」
騎士の青年が心配していることを悟ったのか、すぐに彼の表情は感情を浮かべなくなった。
「ええ……ただ」
それでも言葉は続いていた。
「私が学んだことの中に盾となる発想はありませんでした。相手から攻撃を受けるのであれば先手を取って潰す、それが基本でしたから」
キルシェはラートと共に学校へ通っていたが、彼は授業外で別の訓練を受けている。現在の本業の訓練を。
そして、その考え方は現在の彼の立場を考えると至極当然のことだった。
「それでいい」
ラートは即座にそう答えた。
「ラート?」
「俺が剣にして盾ならば、お前はそれを使わないでいられるようにするのが役割だろう」
驚いたよう顔を向けるキルシェへ騎士はこともなげもなく返す。
「それでも戦いを止められないのなら、盾となるのは俺だ」
そう言いながら、彼は安心させるように肩をぽん、と一つ叩いた。
Fine.
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