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2010.3.6 【特】
Novel stage / Fun Fiction:QМА(DS)
《離れていても離れないもの》 Kronica*Yu
魔神を討伐し終わった夜のこと。
憑いた魔神も落ちたクロニカはある決意を打ち明けるため、アカデミーを回っていた。
「あれ、クロニカさん。どうかしたの?」
探していた少年、ユウは何故か寮の部屋ではなく、学園の屋上のテラスにいた。
「お前こそ何故ここに」
「ちょっと、寝付けなかったんだ」
クロニカより数歳幼い少年は星明かりの中でどこか寂しそうに微笑んだ。
「えっと、それで僕に用かな?」
「ああ。お前を探していた」
青年はユウの隣に並んで共に星を見上げた。きらきらと輝く星は柔らかい光を落とし、夜を穏やかに見せている。
「やっと、俺達は魔神から解放された。最初から最後まで俺達を信じて、助けてくれたお前には本当に感謝している」
「あ、ありがと……改めて言われると照れちゃうな」
ユウは照れに頬を赤く染めてクロニカを見上げた。
「でも、ライラさんもクロニカさんも頑張ってたから、助けようって、皆が一生懸命になれたんだよ。だからライラさんとクロニカさんを救ったのは、自分自身なんだ」
真っ直ぐに紫水晶の瞳が青年へ向けられている。
クロニカはあまりに純粋な視線を遮るように、ぽん、と少年の頭に手を置いた。
「……ありがとう」
そして、言いにくそうに口を開いたところで。
「行っちゃうんだよね」
手を乗せられたまま俯いたユウが、ぽつりと呟いた。クロニカが一瞬硬直する。
「知って、たのか」
「ライラさんがね、教えてくれた。ご両親を助ける方法を探しに行くんでしょ」
そう言うと少年は顔を上げた。寂しそうなところなど見えない笑みを浮かべている。
「ご両親が生きててよかったね」
戸惑いながら青年は答える。
「ああ……どうやって助けたらいいかすらわからないが、必ず、もう一度会う」
「クロニカさんとライラさんなら大丈夫だよ! 頑張ってね!」
クロニカには元気一杯に見えるその振る舞いが、無理矢理装ってるものだとわかった。ライラに旅立ちを告げられた時点で覚悟して、それでもしきれなかったからこそ、ここにいるのだと。
「……お前にも、絶対にもう一度会いにくる」
気がつけば、クロニカはユウにそう言っていた。少年の笑顔が驚いた表情になる。
「クロニカさん……」
「両親やライラとは違うが……お前も、俺の……その、『特別』な存在、だからな」
魔神から解放し、双子の姉と和解するきっかけを作った大切な存在であるのは間違いない。それでも言いながら頬が赤くなっていくのを青年は感じた。
思わず顔を逸らしたくなるのを抑えて、ユウの視線を受け止めた。
やがて少年はぽろっと涙を零しながらも。
「うん! 待ってるよ!」
満面の笑みでクロニカに抱きついた。
Fine.