365 letters 2010.3.1 忍者ブログ
since 2010.1.1/1日1題に挑戦終了。現在不定期更新。
〓 Admin 〓
<< 05   2026 / 06   1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30     07 >>
[69]  [68]  [67]  [66]  [65]  [64]  [83]  [63]  [62]  [61]  [60
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


2010.3.1   【志】

Novel stage / original:Abyss of Time ~ After the Nightmare ~

《遺志から意志へ》


 


 

 警察庁、特殊捜査課。
 あいからわず誰も訪れず静かな部屋で和がデスクワークに励み、その脇で僕はテレビをつけながら紅茶を飲んでいる。
 現在は昼を少し過ぎたあたり。なんとなくつけた情報番組が右から左へ流れていく。
 正直暇だった僕は和へ尋ねた。
「そういえば、和はなんで警官になったの?」
 和は面倒そうに顔を上げる。一応相棒としてここにいるのだから、それくらいは興味がある。
 僕は造られた者だから何故も何もない。でも少なくとも和は自分で選んで警察官になったはずだ。
「……どうでもいいだろう」
 和からはつれない返事。
 また書類に書きこもうとする前に、机へ腕を乗せてその上に頭を載せる。
「だって暇なんだもーん」
 じーっと見上げる。最初は無視してさらさらとボールペンを走らせていたが、そのまま見続けていると段々そのスピードが遅くなって。
 二十分後。
 和はぽつりと呟いた。
「……祖父も父親も、警察官だった。おそらく、裏のことに気付いていた、な」
「え?」
 僕はびっくりして立ち上がる。和の横顔がすぐ目の前にある。
 和はこちらを向かない。けれど、言葉は続けてくれた。
「だから幼い時に守る事の大切さを聞いていた。そして、もう今の俺にとって当たり前のことになった」
 いつの間にか動いていたボールペンは止まっていて、和は何かを思い出すようにじっと書類を見ている。
「そっか……和が使う武器は、おとーさんやおじーちゃんから教わったもの?」
「そうだ」
「ふーん……なんか、いいね。そういうつながりって」
 僕は椅子を持ってきて和の隣に座った。
 すると直に椅子を少し離される。
「テレビでも見てろ。まだ整理が終わってない」
「はーい」
 再び紙の上でボールペンが動くのを見て、僕はテレビの方を向いた。
 ちょうど健康器具のCMが流れていた。

 じゃあ和にも長生きしてもらわないとね。


 Fine.

 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カウンター
カレンダー
05 2026/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
プロフィール
HN:
梨雪
性別:
非公開
自己紹介:
かってきままに ぶらぶらと
ブログ内検索
P R
世界樹の迷宮Ⅲ
Copyright(c) 365 letters All Rights Reserved.* Powered by NinjaBlog
* photo by 空色地図 * material by egg*station *Template by tsukika
忍者ブログ [PR]