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2010.2.27 【点】
Novel stage / Fan Fiction:LοV
《魔獣狩り》
暗殺者の少女を捕まえた翌日。彼女はまだ眠っていてカイムとオークオラクルが見張っている。
女性陣と共に食堂も兼ねている宿の一階で食事を取っている時。
「そういえば、この世界の通貨ってどうなってるのー?」
スープをすすりながら、至極今更な質問をルヴニールは投げかけた。
「そういえば説明しておりませんでしたわね」
思いついたようにシャーマンの少女が手を叩く。
「このあたりでは塩が貴重なので、通貨も塩を基準にしたものになっておりますわ。サールと言いますの」
更に少女が青年へ細かいことを説明している間に、ヒルダが後を任せて立ち上がる。
そしてどこかへ行っていたかと思うと、戻ってきた時には一枚の紙を持っていた。
「ヒルダちゃんお帰りー。それなーに?」
「短期の仕事をもらってきた。路銀もあまりないし、お前の鍛錬にもなるからな」
ヒルダが差し出したそこに書かれていた文字は、魔獣を退治してください。
「……わ、私帰るーっ」
「帰るな。数が多いだけだろう」
うじゃうじゃうじゃうじゃ。
錫杖を持った青年が女性に引きずってこられたのは、街から少し離れたところにある一軒の家。そこの妙に大きい納屋のような所でグレムリンが大量に住み着いていて困っている、ということだった。
確かに、大量にいた。
「そうは言うけどこの中に突っ込んだら私、豆か点くらいなものだよねー。そのくらいの比率だよねー」
梁の上を走り回り、棚では全ての段に寝ていたりはしゃいでいたり。床などもう足の踏み場がないほどだ。
思いっきりしり込みする青年にヒルダは背後から彼の両肩へ手をかけた。
「ごちゃごちゃ言わずにやって来い。援護だけはしてやる」
「え、わわわぁあっ!」
そして、扉を蹴り開けると即座に青年を叩き込んだ。
急な侵入者へ小悪魔たちの視線が集まる。
「ぎぎっ」
「きぃ」
「ぎゃーぐ」
「ぐきぐ」
もちろんルヴニールにはわかるはずのない言葉でいくつか鳴き交わした後。
「ぐぎゃーっ!!!!」
グレムリンは一斉に襲い掛かってきた。
「うぇぇええーっ!?」
錫杖で先頭集団を薙ぎ払いながら身をかわす。だが一体一体は弱くとも余りにも数が多く、倒された仲間を乗り越えた小悪魔の爪に晒される。
当然のことながら入り口はヒルダが直に閉めてしまった為、これを倒さないと出る手段がない。
まるで津波のように襲い掛かってくる小悪魔の海に対して。
「や、やっぱり数多いよーっ!?」
ルヴニールは半分泣きそうになりながら錫杖を振るい続けた。
小悪魔のものかルヴニールのものかわからないぎゃあぎゃあ騒ぐ声が静まるまで半日。「……終わったか」
静かになった所で漸くヒルダは扉を開けた。
ぎぃ、と軋みながら動いた扉の向こうには山のような子悪魔の残骸。
疲れ果て、座り込んで自分の傷を治しているルヴニール。
そして小さな手で興味深そうに癒しの光をつついているグレムリンが一匹だけ、残っていた。
To be continued...