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2010.3.20 【希】
Novel stage / Fun Fiction:DFF
《未来への探求》
コスモスの一行は野営地を決め、現在は安全を確保するために数人ずつで見回りをしている。
ガンブレードを担ぐスコールの前にいるのは、軽装の旅人。どこから敵が現れるかわからない状況だというのに、軽い足取りはまるでピクニックにでも来たかのようだ。
「なんかあの岩、人の顔みたいだなー」
しかも聞こえてくる声は先程からどうでもいい事ばかり。
「あんたには警戒心ってものがないのか」
スコールは周囲を警戒しながらも呆れたような声をかける。その声が聞こえたのか、前を歩いていたバッツが振り返る。
「一応注意はしてるぜ。でもそれだけ報告したってつまらないだろ」
「面白くする必要はない」
唇を尖らせる旅人に青年はそっけなく返して、踵を返す。
「もう予定の範囲は見終わった。戻るぞ」
「ほーい」
まだ行っていない先へ名残惜しそうに目線を向けながらも振り返り、共に来た道を引き返す。
未練を断ち切るとその行動は早く、あっという間にスコールを抜いて先に歩く。
その足取りすら軽いのを見て青年は呟いた。
「あんたなら先を怖がるなんてことはないんだろうな」
すると。
「そんなことないさ」
背中を向けたままの旅人がいつも通りの明るい声で答えた。
「未来には楽しいことや面白いものもあれば、辛かったり悲しいことだってある」
まさか答えが返ってくるとは考えていなかったスコールに背を向けたまま、でも、と繋げた。
「何も知らないから幸せな明日を願える、何もわからないから平和な未来を希うことが出来る。それにはまず今、楽しまなくっちゃそんな気分にすらなれないだろ」
くるっと回ったバッツは、発言を体現したかのように満面の笑顔を浮かべていた。その笑みは明らかに同意を求めている。
スコールは同じように笑顔を浮かべることは流石にできなかったが。
「……そうかもしれないな」
消極的な賛成を返した。
もちろん旅人は不満そうに唇を尖らせて抗議する。予想済みだった青年は無視して歩みを止めない。
ただ、そのころころ変わる表情を見ていると、理由もなく信じれるような気がした。
Fine.