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2010.2.14 【起】
Novel stage / Fan Fiction:LοV
《蜂起》
実は顔を合わせるのが初めてだったオークオラクルとルヴニールの挨拶も終わって、焚火を囲んだ今後の話し合いが始まった。
「さて、現在私達がいるのは呪い森の南部。もう少しで森を抜けるところですわ」
地図を示しながらシャーマンが説明しようとした。
しかしすかさずオークオラクルが口を挟んだ。
「そこで聞きたいんじゃが」
目線の先にいるのはルヴニール。
「主は他のロードを狩るのか?」
一瞬きょとん、とした青年は、何時も通りの微笑みで返した。
「他に帰る方法がないなら、やるよー」
揺らがない紅い瞳に焚火の炎が揺れる。
「私は、帰りたい。エゴでしかなくても、帰りたいから」
もちろん皆が嫌いじゃないんだけど、と続けて。
「やらなきゃいけないことがあるから、帰らなきゃいけないんだ。だから酷いことかもしれないけどやるよ」
錫杖を手にするその微笑は怖く感じられるほどに変わらない。
表情がころころ変わっているように見えても、結局彼が浮かべているのは全て微笑なのだ。まるで張り付いたかのように。
だが真意は読めなくとも、オークオラクルは引き下がった。
「覚悟しておるなら問題ないの……ほっほっほ。仲間が言っていた通りじゃの」
「聞くまでもなかっただろう」
面倒そうにヒルダはいい、カイムは少しいぶかしんだ目を青年へ送りながらも頷く。
「うふふ。流石ロードでいらっしゃいますわね」
そしてシャーマンの少女はやはり当然のように笑い、説明を続ける。
「まずは聖都ザフーを目指そうと思いますの」
改めて地図を広げる。
「魔都と砂漠は現在戦力を増強しているというお話ですし、海上要塞は交戦中。もしも両者を敵に回してしまったら、今の私達では勝ち目がありませんわ。世界樹のあるイーラは現在結界が張られていては入れませんし、アヴァリシアは更にその先にありますの」
灯に浮かぶ地名を指し示していき、残ったのは聖都ザフー。ここから更に南へ向かった神聖王国スペルヴィアの信仰の中心だ。
「うん。わかったー」
更にここから進む道のりも確認し終えて、ルヴニールが頷く。
「では交代で……」
「え、えーっと、ところで私も聞きたいんだけど」
どうやら青年が寝ている間に順番も決めていたらしくカイムとシャーマンの少女が休む体勢に入った所で慌てたように彼が声を上げた。
「なんだか当然のように、皆来る様に聞こえるんだけどー……」
すると。
「あらあら。私にとっては当然ですわ」
「ほっほっほ。行く時に声をかけろといったんじゃから当たり前じゃ」
「お前、契約のことを忘れてないか……それがなくても放っておけるか」
『……ルヴニール、私からも一撃が必要か』
四者四様の肯定の返事が返ってきた。後者二人からは殺意さえ感じる。
あまりにも強い反応に青年が驚いて少し引きつる。
しかしそんな様子に気付かず、少女は青年に話しかける。
「まだお疲れでしょうから、今日の所はお休みください、ルヴニール。明日からは見張りのシフトに入ってくださいね」
「え、あ、う、うん」
戸惑いながら、ルヴニールは再び横になった。
疲れていないと思っていたが、横になると直に睡魔が襲ってくる。眠っていたといっても、実質力を使いすぎたことによる昏睡状態とどこともいえない夢を見続けたいたのもあるらしい。
「それじゃ、おやすみ。気をつけてね……」
落ちていく瞼の中に映る四人の姿を見て、青年は思った。
(ちょっと、嬉しかったな)
To be continued...