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2010.1.31 【食】
Novel Stage / original:Abyss of Time ~ After the Nightmare ~
《素朴な疑問》
首都を管轄とする警察庁の一部門、特殊捜査課。
そう言えば聞こえはいいが、いわゆる"普通に"解決できない事件が全てここに回ってくる場所。
通常のような捜査をすることもないこの部署の部屋は一部屋のみ。
そもそも昼日中現在、数少ない机にいるのは最近入った和と、応接セットのソファーに座っている全然この部署には関係ないが遊びに来ている僕の二人だけだった。
「よく食べるな」
「そんなことないよ」
今は手土産に持ってきた、久遠の薔薇の研究所で買ってきた弁当が四つ。一人二つがノルマだった。
和は漸く一つを食べ終えて、二つ目のハンバーグ弁当を開けたところ。
僕はすでに二つ目の天重のご飯と漬物を残すのみ。
「あ、でも、頑張って食べないと紫さんがおかずとっていっちゃうから」
慣れたのかも、と呟くと、和が複雑な顔をした。
「どうかした?」
「いや、お前の話と会った時の皐月さんのイメージがあわなくてな……」
和は『天才で知的美人の紫さん』の印象がどうしても消えないらしい。よっぽど好印象だったようで、僕が研究所へ戻る時に送っていこうとするのは紫さんに会いたいからではないかと僕は考えている。
「紫さんネコ被るの上手いから」
幻想を打ち砕くようにそう言って、僕は残ったご飯を口の中に放り込む。
その間に呆れたような和の声が聞こえてきた。
「お前も人の事言えないだろ」
「そりゃあ、僕を造って育ててくれたのは紫さんだから」
即座にそう言い返して、僕は振り返ってソファーの背もたれに肘を突く。
「ところでそういうってことは、和にはその量は多いわけ?」
にやにや笑いながら言ってみる。
僕ほどではないが身長の割に体重が軽いのが少しコンプレックスだと呟いていたことがある和はぐ、と詰まって。
「……そんなことはない」
憮然とした表情で弁当を平らげていく。
「そ。じゃ、頑張ってね」
分別したゴミをゴミ箱へ全部叩き込んで、恨みがましい視線を背に部屋を出る。
「さて、と。どこまで和は頑張れるかな」
小さく呟いて、僕は差し入れ用のお茶を入れるべく給湯室へ向かった。
Fine.