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2010.2.3 【公】
Novel stage / Fan Fiction:LοV
《遭遇したもの》
がざっ。
木の間を抜けて飛び出してきたのは、巨大な一対の長刀を持つ女性。鍛えられたであろう体は今、血の赤に塗れ、死の淵へ立とうとしている。
それでもなお、その瞳は闘志を失っていなかった。
開けた場所に舌打ちしながら、女性は二人に問う。
「……お前達も公妃の手先か」
殺気を漲らせた言葉に返したのは白髪の青年。
「……だぁれ?」
にこにこ笑顔のまま。不思議そうな言葉で。
場違いな雰囲気に少し毒気を抜かれたのか、女性の膝が崩れそうになる。長刀で支えてはいるが、もう限界がかなり近いようだ。
それでも気を張り、刀を構える。
「お前達、関係がないなら、早く逃げろ……」
空から降りてくる羽ばたきの音。翼をはためかせ全身青銅色の男性が数人、錫杖を振りかざして襲ってくる。
「公妃様のご命令だ。逆らう者は、全て抹殺する」
その対象は女性だけではなく、明らかに青年達も含まれていた。
「……くるぞ」
「え、えーっ!」
男性は即座に腰から剣を抜き放ち、女性は長刀を構える。青年も先程作った棒を両手に持って迎撃態勢を整える。
攻撃が来たのはその直後だった。
横凪ぎに繰り出された錫杖。
漆黒の剣に受け止められ、返された斬撃で真っ二つになる。
突き出された錫杖。
笑みをたたえたままの人影がさして動いていないのに空を切り、いつの間にか闇の力の宿る木の棒がその頭に叩き込まれていた。
大上段に振り上げられた錫杖。
それは振り下ろされる前に、瞬間的に雄叫びを上げた女性の二刀に使い手が胸板を切り裂かれていた。
結局、追手の錫杖は、一本も女性に届くことはなかったのだった。
どさどさっとほぼ同時に倒れる三つの翼持つ人影。
そして、
「……終わったか」
同時に倒れる、一対の長刀を持つ女性。
「あ、あれ。おねーさんー?」
間延びしたような青年の声が彼女へ届く最後の声だった。
To be continued...