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2010.2.8 【深】
Novel stage / Fan Fiction:LοV
《世界の理》
「二人を運んでいたらね、森のシャーマンの人たちが手伝ってくれたんだよー」
普段通りににこにこと笑う青年は意識が戻ったのを嬉しそうに見ている。
「ここもとりあえず休むのにって貸してくれたんだー」
彼らが今いるのは四人ほど入れそうなテント。装飾性はまったくないが丈夫そうな造りで、倒れていた二人はなめした皮が敷かれた上に寝かされている。
名前を呼ばれたことで、カイムはあの夢がただの夢ではなかったことを確認した。それとほぼ同時にヒルダと呼ばれた女性が青年へつかみかかる。
「お前は事態の深刻さをわかっているのか!?」
「そ、そう言われても私にはわからないんだよー」
どうやら女性の夢の中にもこの青年が現れたらしい。全然何もわからない、という顔をする青年に言っても無駄だと考えたのか、とりあえず女性は手を離す。
「本当に何も知らないのか。アルカナのことも、ロードのことも」
問いには男性陣が首を横に振る。カイムも知らないようだ。
そして、その答えはテントの外から入ってきた。
「古に謳われし創生の神
己が心臓を暴きて 七つに分かち
紅蓮の核石と成し 七界を創生せり」
踊り子のように露出の高い衣を纏う褐色の肌の少女がバスケットを持って入ってくる。
「七界の核石 悉く手にせし者あらば
創生の力を我が物とし
七界を統べる王とならん」
少女はまるで謳うように暗唱していく。この世界で伝えられてきた一節を。
「その王の姿
紅蓮なる故に かく呼ばわる」
とん、とバスケットを置き、青年の方を真っ直ぐに見て。
「ロード・オブ・ヴァーミリオン――《紅蓮の王》、と」
少女の視線の先、青年の瞳は……紅玉の色。
その瞳をぱちくりする姿にくすり、と笑って、彼女はバスケットの中身を広げた。
「そろそろお腹が空いてる事だと思って。ちょっとだけお話が聞こえてしまいました」
果物や薄いパン、保存用に加工した干し肉などが充分にある。
全員へ給仕したあと、少女は背負った大きな杖を外しながら青年の隣へ腰を下ろす。
「私はシャーマン。神に仕える巫女の一族の一人です。いろいろ説明いたしますから、どうぞ食べながらお聞きくださいませ」
女性が青年の方を睨む。果物にかじりついていた彼は目を白黒させながら、首をぶんぶん横に振った。
「ああ、私はこちらの方から何もお聞きしていません。けれど判ることもあります」
微笑んだまま、さらっと。
「例えば男性のお二方は別世界からいらっしゃったとか」
誰も知らない事実を言ってのけた。
To be continued...