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2010.2.1 【棒】
Novel stage / Fan Fiction:LοV
《異界からの使徒》
――あれ、ここどこ?
――さっきまで別のところにいたはずなのに。
――え、何?
――よく聞こえないよ。
――ロード……?
大陸のほぼ中央。ガヌの呪い森とも呼ばれる深緑の地。
動物達の鳴き声しか聞こえてこない森の中に。
「わわわわわわっ!」
どすん。
何もない中空から地面に落ちたのは二十歳程に見える青年。急だったらしく、ダイレクトに後頭部をぶつけて悶絶している。
「いったぁ……えっと、ここ、森ー?」
ひとしきりのたうち回った後、我に返ったのか、きょろきょろと辺りを見回し始めた。
見渡す限り暗い緑の葉をつけた木々が連なり、すぐ側にある小さな泉が以外には別の色が見当たらない。
ぺしぺしと服をはたき、土を落として立ち上がる。
「うーん。見覚えないなぁ……よく迷うからそんなにいったことない場所ないはずなんだけどなー」
さらりとよろしくないことを言いながら、青年は側にあった長く太い枝を手にする。彼が落ちてきた時に折れたものだ。
「荷物もどっかいっちゃったみたいだし、困ったなぁ」
まったく困っていないにこにことした笑顔を浮かべて、細かい枝を払い落として長い棒にする。重さを確かめるように二度三度右手で振る。
こんなもんかな、と口の中で呟いて、小さな泉へと歩いていく。
そして覗き込んだ途端。
「……え、嘘!?」
目を見張る。
「変わってる……」
そう言って、青年は自分の髪を摘んだ。肩口より少し長いその髪の色は白。瞳の色は紅玉のように鮮やかな赤。
それは青年にとっては異変でありながら、見覚えのある光景。
「私のまま、なんだけどなー……もう、わかんないことが多すぎるよー」
左右交互に首を傾げながら、むーと唸っている。
しかし、すぐにその目線が自分が落ちたところの中空に向かう。
そこに集う力を感知して。
To be continued...