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2010.10.14 【役】
Novel Stage / original
《遠き貴方へ》
貴方と別れてから両手で数えきれないほどの年月が流れた。
貴方のことだから、私がいなくなってすぐは寂しさに泣き暮れ、次に何も言わずに消えたことへ怒り、最後はその優しさから私の身を案ずるのだろう。
私とて話せるなら話しておきたかった。
貴方が隣にいてくれるから、私は強い自分を保っていられる。格上の相手に対しても、冷静に挑むも避けるも最適な判断を下せる。
貴方が支えてくれるから、私は弱い自分を認められる。私のどんな面も否定せず、穏やかに間違った行いは諭してくれる。
私にとって、貴女はかけがいのない人なのだ。
しかし。
私が話してしまえば、貴方は必ず私と共に来ようとするだろう。
どれだけ自身が傷つこうとも、優しい貴方はそれ以上に傷つく人々を放っては置けないだろう。助けるためにその手を汚そうとさえするだろう。
そして、私は他の誰よりも貴方が傷つくことが耐えられない。
私に課せられた役目。
世界を救うために必要だと何度も何度も言い含められた私の役目。
貴方が直接傷つかなくとも、世界に何か重大なことが起こってしまえば何が起こるかわからない。まして、他の人を見捨てておけない貴方だからなおさら。
そして貴方の大切なものも私は守りたいのだ。
だから、私は一人で戦う。
あと何年、何十年かかるかわからない。
戦うことが、誰かを殺すことが辛いとは思わない。ただ、貴方に逢えないことだけが辛い。
せめて夢だけでも逢いたいと何度も願った。
貴方の話が出ると、すぐに帰って私の名を呼ぶ声を聴きたくなる。
けれど、貴方がずっと笑っていてくれる、貴方とずっと共にいられる未来を私の手で作り上げるために。
私は、私の役割を果たそう。
Fine.