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2010.9.30 【魚】
Novel stage / original:Two Little Stars
《ねこかん》
ネコの仔が騒ぐ夕食の席。
家に来てからしっかりと躾けた甲斐があって、なんとかまともな箸運びをする双子を見ながら博はひとつ疑問に思う。
「……そういえば、お前ら猫缶って食うのか?」
「にゃ?」
ステラが魚の身を咥えながら首をかしげる。
姿が猫耳と猫尻尾をつけた人間と変わらないため、最初から食卓で自分と同じように食事をさせていた。結果として味覚も人間の子供に近かったわけだから、特に問題は生じなかったが。
「ヒロシ、猫缶ってなんにゃ?」
「見たこともないのか」
アンテールの問いに青年はシンクの下の戸を開けると、ひとつの缶詰を双子の目の前に置く。ハートのマークと白いふわふわの猫が側面に印刷されている。
「にゃ?」
「にゃにゃっ」
双子は興味深くきょろきょろと観察する。初めて見るものに対する反応だ。
二人で手に取ってひっくり返して全面を確認。くんくん臭いをかいだり、開けようとするが指を引っ掛けられなくて苦戦しているようだ。
「食べ物にゃ?」
側面にある肉のような写真で判断したのか、ステラが更に開けようと頑張る。しっかり興味はあるようだ。
「……食べてみるか?」
「食べてみたいにゃ!」
「ネコもにゃ!」
乗り気な双子に博の興味も手伝って、青年は新しい皿を出してやる。試しなので皿にはひとつだけ開けて、スプーンをネコの仔達へ渡す。
「ちょっと取りにくいかもしれないがな」
「わかったにゃ!」
「いただきますにゃ!」
ひったくるように双子はスプーンを構えると、改めてくんかくんかと匂いを嗅ぐ。
どうやら匂いは合格らしい。
ひとすくい取るとネコの仔達はぱくん、と口に放り込む。
むぐむぐと何度か咀嚼すると、満足そうに頷く。
「おいしいにゃよ」
「いろんな味がするにゃ。おいしいにゃ」
「そ、そうか……」
ネコの仔達は何の違和感もなくぱくぱくと口に放り込み、ついには皿まで舐めて綺麗にしてしまった。
「ごちそうさまにゃ!」
「おいしかったにゃ!」
「また食べたいにゃ!」
双子が共に嬉しそうな笑顔で食卓から出て行くのを見て、博は思わず手の中の猫用ツナ缶を見つめた。
担当である美優が食べ物が合わなかった時の為に、と送ってきたのだが、どうもどっちでもいいらしい。
「ネコでもまっしぐら……」
Fine.