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2010.10.31 【勘】
Novel Stage / Fun Fiction:Dissidia Final Fantasy
《Six Sense》
うっそうとした薄暗い森の中。彼らはまごうことなく迷っていた。
「よし。多分こっちだ」
光もほとんどささない密集した木々の間、もっとも光を目印にすることはもともと出来ないのだが逆に言えば何の目印もない。
それなのにまったく躊躇せずずんずん進んでいくのは軽装の青年。腰に下げた剣だけが戦い手であることを示している。
「……根拠は?」
しぶしぶ後をついていくのは青年の半分も身長のない少年。赤い鎧と細剣が青年よりよほど戦士らしい格好をしている。
しかし年齢の貫禄なのか、彼はしっかりと少年へ向かって胸を張る。
「勘だよ。勘」
「それ根拠って言わないよね!?」
はっきりと返されたのはまったく理論的ではない発言。けれど、青年には不思議なくらい自信が満ちていた。
そして理論を重視するはずの少年も、何故か頷かされてしまう勢いがある。
「……まあ他に方法もないんだけど」
「だろ? とりあえず動こうぜ」
さくさくと柔らかい葉を踏みしめて歩いていく。
この自由奔放な青年のせいで道に迷ったはずなのに、結局何か解決できないことがあると引っ張っていくのもこの当人。
それが何か悔しい。
「……よく勘でそんなに自信が持てるね」
「そりゃあ俺はこれでずっと旅を続けてきたし、実際問題が解決することも多かったんだ」
行く手にあった細い枝を折りながら彼は笑って答える。
「誰が言ったのかは忘れたけど、勘っていうのは今までの経験から導き出された最適解なんだってさ。だから慣れた状況なら意外にあってるんだ」
「なんでこの世界になれてるのさ」
「迷うことには慣れてるぜ?」
「迷わないようにすることに慣れてよ!」
最初は文句で始まったはずの会話。
本当に仲間の元へ戻れるまでに、いつの間にか二人とも笑っていた。
Fine.